「マンションは管理を見て買いなさい」―中古マンションを買う時、こんなアドバイスを聞くことがあります。立地でも、設計・設備や共用施設でもなく(もちろん、それらも大切なのですが)、なぜ「管理」なのでしょう。

理由はマンション独特の構造にあります。マンションの各住戸は、他の住戸と隣り合い、重なり合うことで、住まいとして存在しています。逆に言えば、どこか一つの住戸が傷むと、その影響は他の住戸にも及ぶということです。だから、中古マンションを見るときは、検討中の住戸だけでなく、全体の管理状況を見る必要があるのです。

また、マンション内にはエレベーターや廊下、階段、ポンプ室、建物外壁など、スムーズな日常生活を送る上で欠かせない施設・設備が多数あります。いずれも、特定の個人の所有ではなく、全員の共有とすることが自然であり、法的にもそう定められています。したがって、日常の維持管理や補修も全員で管理しなければなりません。実際、外壁の補修にせよ、エレベーターやポンプなどの保守点検にせよ、一人二人で負担できる費用ではないことは明らかです。

もう一つ、こうした管理の積み重ねが、マンションそのものの資産価値を高めることも見逃せません。「あの美しい(安全な、快適な)マンション」と評判になる物件は、人気が高いので、年数が経過しても売却しやすく、また売却価格も有利になることが多いといわれます(当然ですが、その逆のケースもあり得ます)。その意味では、「管理は人のためならず」。よい管理は、回り回って結局、自分の利益にもなるわけです。

「マンションは管理を見て買え」とは、こうした現実から生まれた言葉です。ただし、実際の質のよしあしは、印刷された文字やインターネットの画面だけではつかみ切れません。管理のよい住戸に出会うためには、自分自身の目で見、耳で聞く手間が欠かせないのです。「管理を見て買う」とは、「現場をしっかり見てから買う」と同じ意味だということを、肝に銘じておきたいものです。