重要事項説明書の主な柱は二つ。一つは、これまでにご紹介してきた物件に関する情報。もう一つが、これからご紹介する、取引条件に関する事項です。

取引条件のうち、代金やその支払方法に関する項目は、重要事項説明書には記載しなくてもよいとされています。実際の場合も、契約書に盛り込まれるのが普通です。

一方、代金・交換差金以外の金銭のやりとりについては、重要事項説明書できちんと説明しなければなりません。具体的には、手付金、各種手数料(登記、住宅ローンなど)、各種保証料、各種税金や租税公課(登録免許税、印紙税、固定資産税他)などが、ここに含まれます。マンションの場合は、管理費や修繕積立金の支払いに関する事項も記載されます。

以前にも触れましたが、これらの諸費用の合計は意外に大きな額になります。しかも、物件価額とは違い、現金支払いが原則です。不動産会社から事前に通知されるのが普通なので、その額や支払方法と記載内容に食い違いがないかどうかを 確かめておきましょう。

■重要な意味を持つ手付金

契約が成立すると、売り主は買い主に対して、手付金を払うのが普通です。これは、代金以外では最も重要なお金。なぜなら、支払われた手付金は契約成立の証拠になるだけでなく、万一の解約を可能にするお金(解約手付)でもあるからです。したがって、契約終了まで、きちんと保全されることが必要です。

そこで宅建業法では、不動産業者が売主となる場合、手付金額が売買代金の一〇%(未完成物件の場合は五%)を超えるか一千万円超の時は、手付金の保全措置を義務付けています。重要事項説明書にも記載されているので、ぜひ確認しておきましょう。

なお、手付金による解約についておさらいしておくと、たとえば買い主側の解約は、手付金放棄(手付流し)によって可能になります。逆に、売り主側から解約する場合、預かった手付金を全額返却した上、さらに同額のお金を買い主に支払う(手付倍返し)ことで、契約を白紙に戻せます。ただし、いずれの場合も、相手方が契約の履行に着手していないことが条件です。契約の進み具合によっては、手付金による解約は不可能なこともあるので、注意してください。