前回は、成功する買い替えのポイントとして、「売買のタイミング」 「市況」「売出し価格」の三つをあげました。今回はそのうち、「売り出し価格」について考えてみましょう。

「いくらで売れるか」が大事なのは、次に「いくらの家が買えるか」を左右するからです。しかし、売り手が「より高く」を望む一方で、買い手は当然、「より安く」を願うものです。そのため、売り出し価格の決定はなかなか悩ましいものがあります。ここでぜひ参考にしたいのが、査定価格です。

査定価格とは、不動産鑑定の専門家が住まいの現状を調べて算出した評価額です。判断の基準は、間違いなく売れるかどうか。一般に、三カ月程度で確実に売れることを想定して、価格をはじき出すと言われます。「売れる」ことが優先ですから、査定価格は売主の希望価格より低めになるのが一般的です。

査定に当たっては、さまざまな査定項目が検討されます。また、周辺の売却事例も参考にされます。査定価格の決定は画一的なものではありえませんが、その中でも公平で客観的な査定を目指すため、関係者はさまざまな努力をしています。

たとえば、不動産会社の多くは、それぞれ独自の査定基準を整えています。その項目は実に多く、住居そのものの状態から公示地価、前面道路、眺望や景観、採光・通風、騒音などの有無、地形・地積などが含まれます。さらに、法的規制、交通便、生活施設、教育機関、医療機関、公共設備、将来性なども検討されます。

また、京都のような古い都市では、地元の歴史や伝統もしばしば考慮されます。こうした作業の積み重ねから、多くの人に納得してもらえる査定価格が算出されます。

物件の査定が終わったら、その価格に基づき売り出し価格を決定します。その決定権は売主にありますが、不動産会社には、多くの事例を通じて蓄積された独自の相場観があります。自分たちの希望に固執せず、担当者のアドバイスに耳を傾ける余裕を忘れないようにしたいものです。

なお、売却のための物件査定は、全国的な大手から地元の中小業者まで、特に力を入れています。無料査定をうたう所も多いので、数社に査定を依頼してもよいでしょう。